テロワールとヴィンテージを尊重する為、毎年同じ仕事をします。畑仕事は天候状況や病害に対してそれぞれ適切な作業や処置を行いますがベースとなる仕事は毎年同じです。醸造、熟成は毎年同じ仕事をします。
畑で厳選して収穫された葡萄は2007年に新設された醸造所の2階にある選別台で厳しく選別、タンニンが出過ぎないように特殊な除梗機で破砕しないまま100%除梗され、地上階にある醗酵タンクへ重力によって運ばれます。1階で醸造後は地下で重力によって運び熟成させます。
これがグレゴリー氏が当主になってから導入したグラヴィティシステム。ポンプ等の機械を使わずに自然の力で果皮や種、果汁を運ぶ事でストレスを与えず、また傷付ける事もないので過度なタンニンの抽出を抑えます。
アルコール醗酵に使われるコンクリートタンクはアンリ グージュ氏の時代に造られた古いものが使われており、タンク上部が開いている開放桶ではないのでアルコール醗酵の際に発生するガス(二酸化炭素)がタンク内部に溜まりやすく、醗酵作用がゆっくりと進むので、じっくりと葡萄から色とアロマを引き出せます。
ルモンタージュ(液循環)には医療にも使われている機械を導入し、静かに行います。
白も赤も共にバトナージュ(攪拌)は行いません。
ピシャージュ(櫂入れ)は一日一回。タンク内に設置されている金網状等で皮を傷付けないように静かに行う。機械で行い、ガスによって押し上げられた果皮や種と果汁の接触を増やしてアロマやタンニンを引き出します。
その後、樫樽に移されマロラクティック醗酵をさせて18ヵ月間熟成されます。初代アンリ グージュ氏の頃から全てのキュヴェが100%樽熟成で新樽率は20%です。
とても綺麗な葡萄が取れるのでそのままでも十分透明感がある為、コラージュやフィルターは行わずに瓶詰めされます。