J.L. CHAVE SELECTION ジャン ルイ シャーヴ セレクション

地所:コート デュ ローヌ地方 エルミタージュ地区

1481年に立ち上げられ、6世紀にわたってエルミタージュのワインを造り続けているこのドメーヌはモーヴの町に居を構えています。16代目現当主であるジャン ルイ シャヴ氏は温厚で真面目な性格で、畑での仕事を第一に考えています。

「ドメーヌでは偉大なワインを、ネゴシアンではおいしいワインを」という想いに基づきながら、ドメーヌワインと同じように造られています。葡萄を買ったり、ドメーヌで使わなかったワインを使ったりと、テロワールを活かしながらもリーズナブルで飲みやすいワインを目指しています。

当主:ジャン ルイ シャーヴ氏とエラン夫人

当主からのヴィンテージコメント
2015
区画では完成しないアサンブラージュのワインで醸造も大切な要素なので、収穫時にはまだ「グラン ヴァン」になるかどうかはわからなかった。幸い醸造も穏やかに進んで、現状ではリッチでスパイシーな果実味が豊か、肉厚でオイリーなエルミタージュらしいキャラクターになっており、熟成は当然必要だがグレートなヴィンテージと言って良いだろう。
2014 
春先の天気は良かったが、夏に雨が多く冷涼だったので葡萄の糖度もそれほど上がらず例年より もアルコール感が低く飲みやすい味わいになっている。
2013
春がとても寒かった影響か ら花ぶるいが起こり、特にグルナッシュで大きな被害が出た。夏は幸い天候が回復したが春の寒さで 開花が遅れてしまったために収穫は10月中旬と近年稀に見る遅さとなった。収穫量は少なくなって しまったが葡萄はとても凝縮したので、旨味が詰まったオイリーなヴィンテージになっている。
2012
春に雨が多く湿度が高かったが夏の天候は素晴らしく乾燥して凝縮した葡萄が収穫でき た。フレッシュかつフルーティでしなやかさのあるヴィンテージ。
2009
収穫量が多くなったので仕事量も増えるかと思いきや、天候が素晴らしく葡萄の状態が完璧だったので収穫量の少なかった2008年より手が掛からなかった。ただ、2009年は世間の評価が良過ぎて美味しいと解って 飲むので、サプライズは無いかも知れない。むしろ2008年は評価があまり良くないが、飲んでみれば美味しいので驚きと共に楽しめるだろう。
2008
複雑味が出る年で、天候もあまり良くなくて畑仕事が大変 だったが、丹精込めて造ったワインなら素晴らしくなる。


HERMITAGE ROUGE FARCONNET
エルミタージュ ルージュ ファルコネ

品種:シラー100%

名前の由来は昔の親戚の名前。樹齢10~60年でエルミタージュの丘の麓にある、小石が多い粘土質土壌の「Diognières(ディオグニエール)」はスパイシーさを、砂と石灰質が多い粘土質土壌の「Péleat(ペレア)」は繊細さを、円石土壌の「Greffieux(グレフュー)」はフレッシュさをそれぞれ表現する。白胡椒の香り、フルーティでドメーヌ物より早いうちから飲める造りになっていますが、複雑さと凝縮さもしっかりあります。

SAINT-JOSEPH OFFERUS
サン ジョセフ オフル

品種:シラー100%

葡萄の樹齢は古いもので80年の花崗岩土壌で、エルミタージュの丘の南側にある「Mauves(モーヴ)」と「Tournon(トゥルノン)」の区画はタンニン、スパイス、パワーを与え、ストラクチャーや深みを生み出し、丘の北側にある「Serrières(セリエール)」の区画はエレガントさ、ピュアさ、透明感、凝縮感を与えています。テロワールの要素が良く出ていてバランスが良く、白胡椒やハーブの香り、繊細で酸味が豊か、華やかで飲みやすい仕上がりになっていますが、シャヴ氏は一般受けするような味わいにするのではなく、品種やテロワールの特徴を表現することを重視し、シラー種の青い野菜のような風味を大切にした造りを目指しています。リリース当初は100%他の生産者の葡萄を使っていましたが、現在は60%以上ドメーヌの葡萄を使用しています。

CROZES-HERMITAGE SILENE
クローズ エルミタージュ シレーヌ

品種:シラー100%

シレーヌとはギリシャ神話の酒の神「バッカス」の養父の名前が由来。葡萄の樹齢は5~25年でエルミタージュの丘の斜面にある「Larnage(ラルナージュ)」と「Gervans(ジュルヴァン)」の区画などに畑があります。しなやかでとろけるような果実旨味でシラーの柔らかい風味が特徴です。

CÔTES DU RHÔNE MON COEUR
コート デュ ローヌ モン クール

品種:シラー50%、グルナッシュ50%

樹齢は20~60年で沖積土壌でパワーとエレガントさを表現する「Visan(ヴィザン)」、深い砂粘土質土壌で果実風味豊かなメリハリを与えるビュイソン「Buisson(ビュイソン)」、石灰質の非常に多い粘土石灰質土壌で冷涼な気候がピュアさと凝縮感を与える「Vinsobres(ヴァンゾブル)」、粘土質土壌に樹齢の古いグルナッシュが植えられており、リッチでグリセリン豊富、ストラクチャー、奥行きを与え、モンクールのハーモニーをまとめる「Estézargues(エステザルグ)」など、数区画の畑をアサンブラージュし造られます。その中には本来ならば格上のコート デュ ローヌ ヴィラージュを名乗れる区画もありますが、敢えて格下げしています。胡椒のようなスパイシーな香り、シラーの力強さとグルッナシュの果実味がバランスよく、柔らかな口当たりで飲みやすく仕上がっており、コート デュ ローヌのレベルをはるかに凌駕するほどの美味しさです。

HERMITAGE BLANC BLANCHE
エルミタージュ ブラン ブランシュ

品種:マルサンヌ100%

樹齢50~60年で鉄分豊富な粘土とシロッコと呼ばれる地中海方面からくる風によって運ばれてきた細かいルース(黄土)土壌の「Maison Blanche(メゾン ブランシュ)」の区画の畑主体です。蜂蜜やメープルシロップ、アカシアの花の華やかなアロマ、エレガントなオイリーさで早いうちから楽しむことが出来ます。

SAINT-JOSEPH CIRCA
サン ジョセフ シルカ

品種:ルーサンヌ100%

以前に使用していた「Céleste」(セレスト)というキュヴェ名が他社商標登録のため2013年物より変更され「Circa」に。樹齢5~60年で畑は花崗岩土壌の「Mauves(モーヴ)」の区画に位置します。エルミタージュの白との味わいの違いは、エルミタージュが粘土質土壌で優しく柔らかいのに対し、サン ジョゼフは花崗岩土壌がハツラツさとミネラルを表現します。ビワやカラメルの香り、エキゾチックな甘旨味が美味しいワインです。現在は100%自社葡萄で造られています。