DOMAINE DE L’HORTUS ドメーヌ ド ロルチュ

地所:ラングドック地方 コトー デュ ラングドック地区 ヴァルフローネ村

1970年代に当時はまだ農業技師であったジャン オルリヤック氏がモンペリエ近くのロルチュとピク サン ルーという2つの丘の間を開墾しました。第2次世界大戦後、放置され荒れ放題だったこの土地の気候風土に、良いラングドックのワインが造れるであろうと感じたジャン氏は畑、住居、醸造所などをゼロから造り上げて葡萄栽培に臨みました。現在はジャン氏の4人の子供が葡萄栽培、醸造、販売など担当ごとに分けてドメーヌを運営しています。

白亜紀の隆起現象によって出来た2つの丘に守られるような場所にある畑は、降水量がやや多く涼しい地中海性気候に分類されます。畑の広さは60haにも及び、南向きの日当たりの良い、ロルチュの丘側の斜面の区画にはムールヴェードル、北向きのピク サン ルーの丘側の斜面の区画にはシラー、その間の平地の区画にはグルナッシュや白品種のシャルドネやソーヴィニヨン ブラン、ルーサンヌなどが植えられています。

日本で働いた事もある醸造担当のマルタン氏

醸造所に運ばれて除梗された葡萄は品種ごとに分けて醸造され、最後にアサンブラージュされます。「GRANDE CUVÉE」は樽熟成で深みやエレガントさを与え、「CLASSIQUE」については一貫してステンレスタンクで醸造が行われ、フレッシュで爽快感のあるワインに仕上がります。また、各ワインの葡萄品種の使用割合については毎年葡萄の出来具合によって変わります。

シャルドネの若木の畑

当主からのヴィンテージコメント

COTEAUX DU LANGUEDOC GRANDE CUVÉE ROUGE PIC ST-LOUP 
コトー デュ ラングドック グランド キュヴェ ルージュ ピク サン ルー

品種:シラー50~60%、ムールヴェードル30~40%、グルナッシュ5~10%

ピク サン ルーの丘の白亜紀の石灰質礫土上に形成された褐色土土壌で標高150~200mの所にある、やや傾斜のある畑です。アルコール醗酵にはステンレスタンクを使い、液循環と果皮浸漬をじっくり行うことで上質のアロマとタンニンを引き出しています。熟成は新樽約2/3、1年樽約1/3の割合で15ヵ月間行われます。エレガントな果実風味豊かでバランスが良く繊細なワインです。

COTEAUX DU LANGUEDOC CLASSIQUE ROUGE PIC ST-LOUP BERGERIE DE L’HORTUS
コトー デュ ラングドック クラシック ルージュ ピク サン ルー ベルジュリー ド ロルチュ

品種:シラー60%、グルナッシュ20~30%、ムールヴェードル10~20%

白亜紀の石灰質と褐色土土壌で海抜150~200m、少し傾斜のある畑です。アルコール醗酵はステンレスタンクで25日間行い、同じくステンレスタンクで10ヵ月間熟成させます。日当たりの良い所に畑のあるムールヴェードル種を僅かに加えることによってワインに厚みと力強さを与えつつ、ステンレスタンク醗酵熟成によるフレッシュな果実味と酸味、バランス良く飲みやすいワインに仕上げています。

 IGP VAL DE MONTFERRAND SAINT GUILHEM LE DÉSERT  GRANDE CUVÉE BLANC
IGP ヴァル ド モンフェラン サン ギレム ル デセール グランド キュヴェ ブラン

品種:シャルドネ60~70%、ヴィオニエ20~25%、ルーサンヌ10~15%

沖積土や泥石灰質土壌で標高120~150mの比較的緩やかな傾斜の畑です。醗酵前浸漬はせず、すぐにプレスして、デブルバージュ(醗酵前清澄)した後にアリエの大樽(新樽)で4週間アルコール醗酵を行い、週1回バトナージュを行いながら新樽100%で8ヵ月熟成されます。香りは杏子やアカシアの花を連想させ、口当たりは柔らかくて果実味がしっかりしており、余韻がとても長く残ります。大樽を使うことによって、ワインをよく空気に触れさせ、コクがあり余韻の長いこの地方のワインとしては長熟のものに仕上がります。

IGP VAL DE MONTFERRAND SAINT GUILHEM LE DÉSERT CLASSIQUE BLANC BERGERIE DE L’HORTUS 
IGP ヴァル ド モンフェラン サン ギレム ル デセール クラシック ブラン ベルジュリー ド ロルチュ

品種:シャルドネ、ソーヴィニヨン ブラン、ヴィオニエ、ルーサンヌなど

沖積土と泥石灰質土壌、褐色土土壌で海抜120m、ほとんど傾斜のない畑です。ルーサンヌのみ果皮浸漬を行い、繊細でふくよかなアロマを引き出します。アルコール醗酵にはステンレスタンクを使い、17~18℃の低温で約8週間行います。熟成にもステンレスタンクを使い、樽には一切触れさせず、フレッシュなワインを目指しています。グレープフルーツやパイナップルのような爽やかな香りで、柑橘系の新鮮な果実味と酸味、コクが楽しめます。

COTEAUX DU LANGUEDOC CLASSIQUE ROSÉ
BERGERIE DE L’HORTUS
コトー デュ ラングドック クラシック ロゼ ベルジュリー ド ロルチュ

品種:ピノ ノワール100%

畑は「Les Dressoles(レ ドレソル)」の区画で葡萄は1965年に植樹されました。手摘み収穫後、畑と選果台で選別した後、100%除梗。琺瑯タンクで低温浸漬及びアルコール醗酵を櫂入れをしながら10~14日間行い、熟成は228ℓの樫樽(新樽率10%)で16~18ヵ月間行っています。赤い果実のフレッシュな香り、タニックで骨格がしっかりしており、隣接するヴォルネーよりはポマールに近い印象です。ムルソーのアペラシオンの97%以上は白が占めており、ムルソーの赤はあまり見かける事のないワインです。